読書記録

読了した書物をアマゾンのリンクで表示しています。当初は感想や要約なども記載していましたが、読むスピードと書くスピードが圧倒的に違うため、断念して書名だけ記載しています。後日書けるようになったら書きます。印象に残った記述は関連のhikaru_fujita blogに感想を書いています。私の写真の下のリンクをクリックしてください。

Friday, December 31, 2004

アンナカレーニナ

アンナ・カレーニナ (上巻)
トルストイ

新潮社
1972-02
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昭和27年10月初版発行


購入は、昭和40年4月(1965年)新宿紀伊国屋・・実に40年前である。


小説の筋は忘れてしまった。アンナが自らその命を絶つところでの必然性というようなものに納得していた気がする。しかしなによりこの小説に私がいまでもこだわるのは、人間の関係の最もむつかしい面、最も大切な面を端的に提示してくれているそのテーマにある。


なにがアンナを導き、どうしてこのような結末になったか。自分ではどうしようもないこと、理屈や常識では解決し得ないことが現実にどこにでもあるし、普通の人ならばその中で苦しみや悲しみを抱えて生きているのだ。


この小説の迫力はまさにそのどうしようもない流れを読む人に体験させるところにある。lang=EN-US>20歳になったばかりの頃に読んだ印象は非常に強烈であったし、またやりきれなさを感じたことも事実である。


人と人がお互いに理解しあい、やさしく思いやることのできる普通の生活がどうしてむつかしいのか。人間はその余裕を持つことが苦手らしい。悩みの多い人はこれを読むと自分が客観的にどうなっているか少しはわかるだろう。